TEL/FAX: 042-202-0423 / MAIL: g.zaka.press@gmail.com               © 2017 by gakuenzaka press 

思想ゼミナール

外を思考すること・外で思考すること。法外だが豊穣な思考の実験。

La pensée 

du dehors

de l'État

思想ゼミナール・企画にあたって

2017年の今日、わたしたちを取り巻く世界は相変わらず暴力や憎しみに満ちていると言わざるを得ません。新自由主義やグローバル資本が貧困層を生み出し、明確なヒエラルキーがここそこに立ちはだかっています。欧米諸国にはナショナリズムが台頭し、日本においても欧米を真似るかのようなナショナルな言説や、あまりにも子供じみたヘイトスピーチが平然と垂れ流されている。目を覆いたくなるような現実、それは誰もが直面しながら正視できない現実として、いつまでも放っておかなければならないのでしょうか。

宇野邦一 講座 レクチャー イベント トーク, フーコー ドゥルーズ クラストル ジュネ 土方巽, 新自由主義 貧困 差別 ヘイトスピーチ

わたしたちはいまいったいどこにたたされているのでしょうか。日々の消費社会のまっただ中でしょうか。人が目に見えない仕方で徹底的に管理される社会でしょうか。旧来の言説がまったく歯に立たないようにもみえる人工知能の支配する社会でしょうか。いずれにしても、人間がすることではあり、人間が欲望することではある。この錯乱したかのような欲望のメカニズムを今一度かえりみること、それはある種の精神分析でもあり、人類学とはまた別種の人間学とも言えそうな、わたしたちはそのような学を哲学だと、改めて言ってみたい。

どうやら〈国家の外の生〉が、これまで考えてきたことの根底の課題であり、いままさに改めて問うべき課題であると思いつつある。前世紀の後半から顕著になってきたマイノリティの思考、微細な個人の欲望や幻想の考察を点検すること、国家、法、政治的理性、権力の次元から出て、けんめいに別の自己、身体、共同性を追求してきた思想を組み立て直すこと、ピエール・クラストル『国家に抗する社会』、ドゥルーズ=ガタリ『カフカ』、ミシェル・フーコー『自己への配慮』などをきっかけのテクストとしながら考えてみたい。宇野邦一

この種の哲学を実践していくために、わたしたちはあらゆる事象を、あらゆる領野を渉猟し、仔細に検討しなければなりません。国家について、歴史について、文学について、詩について、科学について、政治について、法哲学について、経済について、福祉について、芸術について、性について、あらゆる制度、あらゆる言語、あらゆる生態について。もはや嘘でもいい、ありったけの論理を構築し、真っ向な批評を成立させること。このことが実に困難であり、圧倒的に時間が限られており、ついわたしたちは抗うのを忘れ、いつのまにか権力の大きな波にのまれてしまっている、そんな日常を送っているのかもしれません。

哲学 思想 政治, 講座 ゼミナール 質疑応答 カルチャースクール 東京 多摩地区, 立教大学 映像身体 新座 秋津 新小平

日々、思考の闘争をすること。マイノリティや異端に想いを馳せながら。芸術=微細なアナーキズムのかけらにそっと触れながら。能う限り搾取につながらない生、暴力からもっとも遠ざかりうる場所、そのような志向が単なるロマンティシズムに過ぎないのだとしても、そのような思考がある矛盾した体系を孕んでいようとも、わたしたちはこの闘争を諦めるわけにはいきません。哲学とは無力であるもののことだ、と哲学者はいう。であるとするならば、その無力を敢えて武器としながら日々闘争することが、世界を肯定しなおすことにつながっていくはずです。

宇野邦一 思想ゼミナール 概要

月1回 第3土曜日 15時〜18時

(会場の都合等で予定が変動することがありますのでその都度スケジュールをご確認ください)

参加費(1回)2000円

定員 15名程度

場所:学園坂スタジオ

次回:6/22(土) 16:00〜→終了。

宇野邦一さん新刊書『政治的省察-政治の根底を考える-』出版記念イベントを開催します。

8月3日(土)→終了しました

ゲスト:斎藤純一さん+李静和さん

8月24日(土)→ご予約受付中

ゲスト:立岩真也さん

9月14日(土)→ご予約受付中

ゲスト:高橋悠治さん+李静和さん

各回16:00〜予定。

要予約2000円(3回通し5000円)

この思想ゼミナールは、宇野邦一氏をお招きし2年目となります。初年度は「民主主義」を軸に、氏がそれほど発言されてこなかった政治についてやや具体的な問題提起がなされました。2017年度も引き続きこのテーマを継続しつつ、議論は様々な方向に富んだものになっていくでしょう。氏の最新作『土方巽 衰弱体の思想』やジャン・ジュネ『薔薇の奇跡』の新訳を繙くと、資本主義と対峙しようとする舞踏の身体や、社会が少年院や刑務所などといった隔離施設に封じ込めておこうとするような、マイノリティの荒ぶる思考が実に新鮮に描かれています。わたしたちはこのような氏の著作に触発されながら、いまどこに立ち、どこにあるいていくべきなのかを探っていきたいと考えます。

Thought

on the outside

of the state

本講座 『国家の外の思考〜フーコー、クラストル、ドゥルーズ』第II期は、各回3時間のうち90~100分程度を講義とし、残りを質疑応答や参加者による討論などの時間とします。対象年齢などの参加条件は全くありません。今年度からの参加も大歓迎です。アクチュアルな問題領域に関心のある方や、専門・非専門を問わず横断的な領域に関心のある方など、幅広く参加者の募集をしています。なお、各回定員になり次第応募を締め切らせていただきますので、ご了承ください。(港大尋)

宇野邦一 UNO Kuniichi

■主な著作 『土方巽〜衰弱体の思想〜』『意味の果てへの旅』『D』『予定不調和』 『アルトー 思考と身体』『詩と権力のあいだ』 『他者論序説』『日付のない断片から』 『ドゥルーズ 流動の哲学』『反歴史論』 『ジャン・ジュネ 身振りと内在平面』『破局と渦の考察』 『<単なる生>の哲学』

■主な訳書 ドゥルーズ=ガタリ『アンチ・オイディプス』 ドゥルーズ『フーコー』『襞』 アルトー『ロデーズからの手紙』 ベケット『伴侶』『見ちがい言いちがい』

宇野邦一 アルトー ベケット, 他者論序説 反歴史論 アンチ・オイディプス 差異 ガタリ